子供を持つ親が遅かれ早かれ直面するのは、子供の大学費用。
アメリカの大学費用は、世界でも高額だと言われています。
公立大学でも、1年間に3万ドル近くかかりますね。
COA: Cost of Attendance: 授業料だけでなく、寮、教科書、食事、交通費など諸々の1年間の合計金額
やっぱり、高いですよね~。だからこそ、大学費用を早めに準備しておくのも親の役目なんです。学資資金として準備する方法は色々あります。
学資資金の準備方法
- 銀行口座(Certificate of Deposit)
- UTMA/UGMA
- Educational IRA (Coverdell Education Savings Account)
- 529 Savings Plan
- Roth IRA
- 株式投資
- 投資信託
- 積み立て型生命保険
色々ありますよね(^^)
きっと、色々ありすぎて、どう準備しておくのか迷ってしまうかもしれませんね。
簡単に特徴をお話しますね!
また、FAFSA的に資産と見なされるかも記載しておきます。
FAFSAに関しては、こちらもどうぞ
学資資金の準備方法の特徴
銀行預金
アメリカの銀行口座には大きく、3種類の口座があります。
- 貯蓄用のSaving Account
- 決済用のChecking Account
- 定期預金口座のCertificate of Deposit(CD) →Saving・Checkingと比べると、金利が高い
CDの方が金利が高いとはいえ、2021年現時点では、年間インフレ率の約3%よりも低い金利です。
特徴:
- ローリスク、ローリターン
- FAFSA的には、資産/収入となる
UTMA/UGMA
- UTMA: Uniform Transfers to Minors Actの略
- UGMA : Uniform Gift to Minors Actの略
特徴
- 未成年の子供名義で作れる口座 (CD,投資信託、株、など)
- 親またはカストディアン(後見人)が管理する (通常、子供が18歳または、21歳になるまで。州によって違う場合あり)
- 利子、配当金、キャピタルゲインは、子供の税率で支払える
- FAFSA的には、資産/収入となる
Educational IRA (Coverdell Education Savings Account)
学資資金を貯蓄するための専用貯蓄/投資用のアカウント。この口座から投資を行います。
投資から運用益が発生しても、教育目的のみに使用することで非課税となります。
特徴
- 節税効果あり
- 年間最大$2000まで (親の収入によって金額が決まる。高額所得者は利用できない場合もある)
- 子供が18歳になるまで積み立て可能
- 大学費用だけでなく、キンダーから12年生の学費や教材費などにも利用できる
- 子供が30歳になるまで、アカウントを持つことができる
- FAFSA的には、資産/収入となる
529 Savings Plan
大学資金のための、貯蓄/投資用のアカウント
Federal School Codeに登録された大学だけが対象となります。
特徴
- 大学資金用のアカウント
- Federal School Codeに登録された大学だけが対象
- 大学費用として利用しなければ、ペナルティが発生
- 住んでいる州のプラン、州外のプラン、色々選択肢がある
- FAFSA的には、資産/収入となる
Roth IRA
Roth IRAは、リタイアメント用のアカウント。
Traditional IRAと違い、課税後(アフタータックス)のお金で積み立てが可能なアカウントです。
課税後(アフタータックス)のお金で積み立てができ、利子は非課税で運用できます。
特徴
- 課税後のお金で積み立てをする
- 収入によって積立額が決まる
- 高額所得者は利用できない (収入が多すぎるとRothIRAアカウントが開けない。厳密にいうと、BackdoorRothという方法を取れば開けるがいつまでこの方法が有効は不明)
- 元本は、いつでも非課税で引き出し自由
- 早期引き出しに、ペナルティがかかるが「条件」次第でペナルティは発生しない (※大学費用として引き出す場合は、ペナルティは発生しない)
- どれだけRoth IRAの「資産」が増えたとしても、FAFSA的に有利→「資産」としてカウントされない
- ただし、Roth IRAから引き出した金額は、「収入」としてカウントされる。そのため、ファイナンシャルエイドをもらえる金額が減額される可能性あり。
株式投資
企業が発行した株を、売買して利益を増やしていく方法
特徴
- お金の出し入れが自由
- 税控除はない
- 投資の種類が多いので、利率の高いものを選ぶことができる
- 元本割れのリスクもある(企業が倒産した場合など)
- FAFSA的には、資産/収入となる
投資信託(Mutual Fund)
投資家から集めた資金を一つにまとめて、運用のプロが投資、運用をして得た成果を投資家に分配するタイプの金融商品
特徴
- お金の出し入れが自由
- 税控除はない
- 投資先は、ファンドマネージャーに任せている
- 株式投資に比べるとリスクは低い
- FAFSA的には、資産/収入となる
積み立て型生命保険 (Cash Value Life Insurance)
保障と貯蓄の両面を兼ね備えた商品
特徴
- 子供名義でも契約可能 (※親も生命保険に、加入していないければならなない)
- 月々の保険料は、加入者の年齢・健康状態によって決まる
- 健康でなければ加入できない
- 予定利率が高め
- 積み立て型なので、貯蓄用として扱える
- 元本割れリスクは低い
- 万が一の死亡保障を受け取る際、タックスがかからない
- どれだけ資産が増えたとしても、FAFSA的に有利→資産としてカウントされない
何を考慮して、学資資金として準備すれば良いのか?
学資資金の準備方法について簡単に特徴をまとめました。
どの方法で大学費用を準備しても、間違いではありません。
ただ、年々高くなる大学費用。。。
是非、考慮してもらいたい点としては、
- 年間インフレ率よりも高いか低いか (準備する方法の利率が高いほど、学資資金が増えやすい)
- 将来大学費用として使わなくなった場合のペナルティ(529プランの場合)
- 節税効果はあるのか
- ファインシャルエイドへの影響
といったことが大切だと思います。
どの方法で大学資金を準備するのも間違いではありませんが、後で後悔しなくて済むようにするのが最良の準備方法だと思います。
参考資料:
https://www.synchronybank.com/blog/types-of-savings-accounts-for-kids/
https://www.ramseysolutions.com/retirement/esa-529-comparison