老後資金・リタイアメント

401(k)はいくらあれば安心?老後資金は「貯める」だけでは足りない理由

先日、誕生日を迎えました。50代に入り、長男も高校を卒業、次男もあと3年で高校卒業。
子どもたちも少しずつ手を離れていくと、ふと気になり始めたのが自分たちの老後。
そう、最近になって老後のお金が気になりだしてきました😅

老後までにあといくら貯めればいいんだろう。
主人の401(k)はあるけど、これで足りるのか正直わからないし……Social Securityっていくらもらえるんだっけ。
あと介護のことも、本当は考えなきゃいけないんだろうな、とか。
今まで、できるだけ後回しにしてきた老後のお金の問題。でも、もうそろそろ主人とも真剣に話さないといけない時期に来ているのかもしれません。
(正直、面倒くさいのですが。。。自分ひとりだと、パッと決められることも、何故かパートナーも一緒だとなかなか決まらないことってありませんか💦)

そんなことを考えるようになり、老後のお金について改めて勉強してみようと思ったときに知ったのが、RICP(Retirement Income Certified Professional)でした。
内容を見てみると、「これ、まさに私が知りたかったことかも」と思うことばかり。

老後までにいくら貯めるかだけではなく、貯めたお金をどう使い、どうすればできるだけ長く安心して暮らしていけるのか。勉強を始めてみると、老後のお金には「貯める」だけではない、もう一つの考え方があることが見えてきました。

今日は、その考え方を少しずつシェアしていきたいと思います。

老後のお金、何から考えればいい?

たとえば、これから家族で長い旅行に出かけるとします。
目的地は世界各国、行きたいところはいろいろあって、そして、旅行に使えるお金は$200,000。

さて、これだけで、安心して出発できるでしょうか。
正直、ちょっと不安になりますよね。

どこへ行くのか。何日間行くのか。ホテル代はいくらかかるのか。
途中で病気になったらどうするのか。予定よりお金がかかったら? 
そして何より、帰るまでお金は足りるのか。

老後も、少し似ています。「資産が○○ドルある」というのは、とても大切な情報です。でも、それだけでは「そのお金で、この先の人生を安心して暮らせるのか」までは分かりません。自分が何歳まで生きるのか、誰にも分からないから。

だからこそ、老後のお金は「いくら持っているか」だけではなく、順番に整理して考えていくことが大切になってきます。

1.まず、現状確認!(Situation)

最初は、とてもシンプルです。「今、どんな状態なの?」を確認します。

年齢、家族構成、仕事、収入、貯蓄、401(k)、IRA、保険、住宅ローンなど、今の自分たちが立っている場所を一度全部並べてみる。ここがはっきりしないと、この先の話も進められません。

2.どんな老後にしたい?(Goals)

次は、お金の話……ではありません。考えるのは、「どんな暮らしをしたいか」。
例えば。。。

「65歳くらいで仕事を辞めたい」
「年に一度は日本へ帰りたい」
「できれば今の家に住み続けたい」
「孫ができたら、少し援助してあげたい」

人によって、幸せな老後の形は違いますよね。だから、「老後資金はいくら必要ですか?」という質問にも、全員に共通する答えはありません。
まずは、自分はどんな老後を送りたいのか。ここがスタートです。

3.その生活には、何が必要?(Needs)

希望する老後の生活が見えてきたら、次は「その暮らしに、毎月どのくらい必要?」を考えます。

住居費、食費、医療費、保険、車、旅行、趣味など。
リタイアしたからといって、支出がなくなるわけではありません。

住宅ローンはいつまであるのか? 医療費も忘れてはいけません。
他にも、家の修繕や車の買い替えも考えないといけないし、時々、旅行にも行きたくありませんか?
またインフレもあります。物価も上がっていくので、今と同じ生活費で考えるわけにもいきません。
こうして考えてみると、老後って思っていた以上にいろいろお金がかかりそうです。

4.老後に入ってくるお金を確認する(Sources)

必要なお金が見えてきたら、今度は「仕事を辞めたあと、どこからお金が入ってくる?」を確認します。

Social Security、年金、401(k)、IRA、貯蓄、投資、不動産収入、Annuity(個人年金)など。。。
人によってさまざまです。つまり、老後のお財布の確認です。

そして、もう一つ大切なのが「何歳でリタイアする?」ということ。
60歳で辞めるのか、65歳なのか、67歳なのか。Social Securityをいつから受け取るのか。。。

仕事を辞める時期が変われば、そこまでに貯められる期間も変わりますし、貯めたお金を使う期間も変わります。

5.今の準備で大丈夫?(Preparedness)

ここまで分かったら、今の準備で、自分たちが思い描いている老後に近づけそうかを確認します。

案外、「思っていたより準備できているかも」となるかもしれないし、「やばい!ちょっと足りないかも……」となるかもしれません。
でも、分からないまま「老後、大丈夫かな」と不安でいるより、今の状況が見えた方が、次に何をすればいいのかも考えやすくなります。

6.足りない部分を見つける(Shortfall)

次は、足りないものをみつけます。
たとえば、老後に毎月$6,000必要なのに、安定して入ってくるお金が$4,500だったとします。
$1500足りませんよね?

足りないものを見つけると、「毎月あと$1,500をどう補う?」という具体的な数字が見えてきます。
これがShortfall、つまり「不足分」です。

「老後がなんとなく不安……」だったものが、「毎月あと$1,500必要」に変わります。
「なんとなく足りない気がする」より、$1,500と分かった方が、まだ対策を考えやすいですよね。

7.忘れてはいけない、税金や法律のこと(Legal & Tax)

意外と忘れがちなのが、リタイアしても税金はなくならないということ。

老後のお金は、貯めた金額をそのまま全額使えないかもしれません。
セミナーでもお話していますが、どんな口座にお金を持っているのか、どこから引き出すのかによって税金の扱いは違いますし、課税対象になるお金を一度に多く引き出せば、その年の税金に影響することもあります。

また、「もし自分に何かあったら、このお金は誰に渡る?」「受取人は今のままで大丈夫?」といった相続や法律のこともあります。
自分がいなくなったら終わり、ではなくて、もし残された人に迷惑をかけたくないのなら、「その先」も考えておかないといけません。

8.「もしも」も考えておく(Contingencies)

人生は、予定通りにいくとは限りません。

病気になったら?
介護が必要になったら?
配偶者が先に亡くなったら?
家の大きな修理が必要になったら?
そして、90歳、95歳……と長生きしたら?

考えたくないこともありますよね。
でも、こうした「もしも」を考えるのは、不安になるためではなく、起きたときに慌てなくてすむように準備しておくためです。

これは、私が普段お話ししている「保険」の考え方とも似ています。
保険を説明するとき、私はよくにたとえます。出かけるときは晴れていたのに、突然雨が降ってきた。傘がなければ濡れてしまいます。
でも、バッグの中に傘が一本入っていたら?

「持ってきてよかった!」となりますよね。

万が一のために、困らないために持っておく。
老後の「もしも」への備えは、「保険」とすごく似ているなぁと感じています。

9.貯めた資産を「毎月のお金」に変える(Convert Assets to Income)

私は、ここが老後のお金を考えるうえで、とても重要なポイントだと思っています。
働いている間は、給料 → 貯蓄でした。ところがリタイアすると、これが逆になります。

貯蓄 → 生活費 に変えていかなければなりません。
たとえば401(k)に$1,000,000あるとします。

$1,000,000。数字だけ見ると、「結構あるじゃない」と思いませんか?
でも、いざここから生活費を出していくとなったら……。
「毎月、いくら使えるの?」ここをしっかりと考えないといけません。

今の生活に月$6,500必要だとしても、私がリタイアする頃には、インフレでもっと必要になっているかもしれません。
仮に月$7,500必要だとします。
税金も、運用益も、Social Securityもいったん全部なーんにも考えないで、単純に$1,000,000から毎月$7,500ずつ使ったとすると、

なんと、約11年。

「え、$1ミリオンあっても11年?」と、ちょっと思いませんか?
11年という数字を見て、ちょっとゾッとしました。

もちろん、実際の老後はこんな単純計算ではありません。Social Securityも入るでしょうし、401Kを運用しながら取り崩すこともあります。
他にも不動産収入やAnnuity(個人年金)なんかもあるかもしれません。

でも、病気をするかもしれない。介護が必要になるかもしれない。90歳、95歳まで長生きするかもしれない。
困ったことに、自分が何歳まで生きるかなんて、誰にも分かりません。

だから本当に大事のは、「持っている金額」だけではなく、「このお金をどうすればできるだけ長く持たせられる?」ということなのだと思います。
ここが、老後のお金の難しいところなんですよね。

10.最後は「点から線へ」(Integrate)

最後は、これまで考えてきたことを全部つなげます。

Social Securityはいつから受け取る?
401(k)やIRAはどう使う?
現金はいくら残しておく?
医療や介護への備えは?
税金は?
配偶者が一人になった場合は?

一つひとつは「点」です。
でも老後の生活では、それぞれが別々に存在しているわけではありません。

Social Securityをいつ受け取るかが変われば、401(k)から取り崩す金額が変わるかもしれない。取り崩す金額が変われば、税金にも影響するかもしれない。
そして医療や介護に予定以上のお金が必要になれば、また計画は変わります。

だから最後に、こうした点を全部つないで、「自分たちの老後全体として、どう組み合わせていく?」という一本の「線」にしていきます。

まとめ:老後準備は「大きな貯金箱を作ること」だけではない

若いころは、「老後のために、とにかく貯めなきゃ」と思っていました。
たくさん貯めたら、老後は安心。でも、それだけではありません。

いくら貯めるか、だけではなく、肝心なのは、その後。
貯めたお金をどう使えば、できるだけ長く安心して暮らしていけるのか。

そして、もし予定外のことが起きても、生活を守れるのか。
老後のお金について考えることは、数字とにらめっこすることだけではありません。

まず、「私は、どんな老後を送りたいんだろう?」
それから、今あるものと、これから必要になるものを一度整理してみる。
老後のお金を考えるのは、きっとそこからなのだと思います。

老後のお金は、家族構成や働き方、持っている口座によってかなり違います。
「わが家の場合はどうなんだろう?」と思ったら、個別に整理するお手伝いもしています。
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