もうすぐ5月1日、College Decision Day (デシジョンデー: アメリカの大学進学で「ここに進学します!」と決める日) です。
進学先がもう決まって準備を始めているご家庭もあれば、「これから情報集めようかな〜」という方もいるかもしれませんね。
アメリカでは、進学先の選択肢は本当にいろいろありますね。
4年制大学、2年制大学、私立、公立、海外の大学、専門学校、ミリタリーなどなど。。。その中でも、「実はあまり知られてない」のが2年制の私立大学(Private 2-Year Colleges, Junior College)なんです。
今回は、(Public)Community College (コミュニティカレッジ、通称コミカレ)と(Private) Junior College (ジュニアカレッジ、通称JC)の違いについてシェアしますね!
Community College とは?
Community Collegeは、日本語に訳すと「地域の大学」。アメリカの各州や郡(カウンティ)などが運営している公立の2年制大学で、誰でも通いやすい点が大きな魅力です。
【Community Collegeの特徴】
- 州や市などの地方自治体が運営
- 学費が比較的安く、地元住民には割引があることも (知り合いの息子さんは、学費ゼロ!でCommunity Collegeに通っています)
- 高校卒業後すぐに進学可能(入学試験なし、高校卒業の資格のみ必要)
- 卒業後はAssociate Degree(準学士号)を取得 (少数ですが、専攻により、Bachelor's Degreeを取得できるコミュニティカレッジもある
- 4年制大学への編入コース(Transfer Program)が充実していて、UC・CSU・州立大学などとの提携がある
代表的な例としては、Santa Monica College(カリフォルニア州)、Pierce College(ワシントン州)などが挙げられます。
学費の負担を抑えつつ、質の高い教育を受けられるため、特に留学生やアメリカ国内の進学費用を節約したい家庭に人気があります。
Junior Collegeとは?
一方、Junior Collegeは「2年制大学の総称」として使われることが多く、Community Collegeを含みつつ、それ以外の私立の2年制大学も含む広い意味を持っています。
昔は、2年制大学全体を「Junior College」と呼ぶのが一般的でしたが、現在は「Community College」という言葉が公立校を中心に広く使われるようになってきました。
また、アメリカには、数は少ないですが私立で運営されている2年制のJunior Collegeも存在します。これらの学校は独自の教育方針やカリキュラムを持ち、少人数制の教育や寮生活を取り入れていることが多いのが特徴です。
【Private Junior Collegeの特徴】
- 公立のCommunity Collegeも含む「2年制大学全体」のことを指す
- 私立のJunior Collegeも存在する
- 私立の場合は、学費はCommunity Collegeよりも高い
- 学生寮がある
- リベラルアーツや宗教系、ミリタリーなど特色ある教育も
- 少人数制による指導が充実してる
- 入学にはエッセイ・推薦が必要な場合があり選考が行われる場合も
- 奨学金制度は比較的充実している
◆ 混同されやすい理由◆
「Junior College」と「Community College」が混同されやすい理由は、過去にJunior Collegeという名称が広く使われていたためです。特に1960年代以前は、Community Collegeという表現はあまり一般的ではありませんでした。実際、私が高校生の頃(30年以上前)は、公立の2年生大学のことを、みんな「JC (Junior College の略)」と呼んでいましたね。
現在では、州立や市立の2年制大学を「Community College」、その総称を「Junior College」として使い分けることが一般的になっているようです。しかし、地域や文脈によっては、今でも両者が同じ意味で使われることもあり、混乱を招く原因となっています。
代表的な私立のJunior College(2年制大学)
数は少なくなっていますが、私立のジュニアカレッジでも選考基準がかなり厳しい学校もあるんですよ
Deep Springs College(CA)
- 超少人数制(学生数約30名)
- 2019年から共学/寮完備/学費無料(仕事と学びの両立)
- 牧場仕事+学問のユニーク校
- 入学は超難関!2024年は、なんと応募843人→合格15人 合格率はわずか約2%!
- 合格者は、学費/寮費/食費ぜんぶ無料
- 卒業生の多くはアイビーリーグなどに編入
🔹St. Philip’s College(TX)
- 歴史あるマイノリティ支援の私立系コミュニティカレッジ
- テキサス州サンアントニオに位置し、地元との連携強化型
🔹Andrew College(GA)
- メソジスト教会系の小規模私立カレッジ
- 文系・芸術系・看護系に強み
- AAやAASの取得が可能
🔹Hesston College(KS)
- キリスト教系(メノナイト教派)私立の2年制カレッジ
- 看護・航空など専門分野に強い
- 少人数クラスで先生との距離が近い
- 寮&留学生向け奨学金あり
まとめ
Junior CollegeとCommunity Collegeは、どちらもアメリカの2年制大学であり、基本的には同じ種類の学位(AA/AS/AASなど)を取得することができます。
ただし、Community Collegeは主に公立で編入重視、Junior Collegeは私立も含み、より個性のある教育を受けられる場として違いがあります。
あなたの進学の目的が「4年制大学へのステップ」なのか、「職業スキルの取得」なのかによって、選ぶべき学校も変わってきます。
まずは自分の目標を明確にし、それに合った学びの場を選んでいきましょう!