「アメリカの銀行って、本当に大丈夫なの?」
ここ数年、「〇〇銀行が経営危機」「銀行破たん」というニュースを一度は目にされた方も多いと思います。
そんなときに必ずセットで出てくるのが、
FDIC(連邦預金保険公社)の$250,000補償
という言葉。なんとなく「とりあえず25万ドルまでは安全らしい」と覚えている方も多いのですが、実はこのルール、きちんと理解しておくと“お金の守り方”がグッと変わる大事なポイントなんです。今回は、このFDICの$250,000補償についてシェアしたいと思います。
FDICってそもそも何?

FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation / 連邦預金保険公社)は、「もし銀行がつぶれてしまっても、預金者のお金を守るための政府機関」です。
FDICが守ってくれる金額のルールは、
1人あたり・1銀行あたり・1預金カテゴリあたり、$250,000まで補償
そして有名なポイントがもう1つ。
1933年にFDICができてから、FDICが保険で守っている預金については、
1ドルたりとも失われたことはない とされています。
参考ソース:Better Money Habits
「もしものときの最後の砦」みたいな頼もしい存在ですね!
「ひとり25万ドル」じゃない?基本ルールをかんたんに
よく聞くフレーズは、
$250,000 per depositor, per insured bank, per ownership category
日本語にすると、このような意味になります。
1人あたり・1つの銀行あたり・1つの“名義カテゴリ”あたり$250,000まで
FDIC
じゃあ何を基準に25万ドルを計算しているの?──その鍵になるのが、“名義カテゴリ” という考え方になります。
名義カテゴリって何?
FDICでは、口座の“持ち方”ごとにカテゴリが決まっています。たとえば:
- Single Account(単独名義口座)
→ 1人の名前だけで持っているChecking / Savings / CDなど - Joint Account(共同名義口座)
→ 夫婦など、2人以上の名前が入っている口座 - Retirement Account(退職資金用の一部の預金口座:IRAなど) FDIC
- Trust Account(信託口座) など
ここが少しややこしいのですが、Checking と Savings は“口座の種類”は違っても、同じ人の名義であれば「同じカテゴリ(Single Account)」にまとめて計算されるというルールになっています。FDIC
具体例
| 例 | 銀行 | 名義 | 口座の種類と残高 | FDIC上のカテゴリ | 合計残高 | 補償される金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ① ママ名義で2口座 | Bank A | ママ(単独) | Checking:$150,000 Savings:$150,000 | Single Account(単独名義)※同カテゴリ | $300,000 | $250,000まで |
| ② 夫婦のJoint口座 | Bank A | 夫婦(共同名義) | Joint:$500,000 | Joint Account(共同名義) | $500,000 | 夫$250,000+ 妻$250,000=$500,000全額補償 |
| ③ 別の銀行に口座 | Bank B | ママ(単独) | Savings:$250,000 | Single Account(単独名義)※銀行が別なので別枠 | $250,000 | $250,000まで |
「銀行 × 名義 × カテゴリ」を変えると、補償枠を増やせる、というイメージです。
FDICが“守ってくれる”お金のリスト

ここが、いちばん実用的なポイントです。FDICは、「預金(Deposit)」として扱われるお金だけを保険で守っています。
公式サイトによると、FDICがカバーしている代表的なものは次のとおりです
参考ソース:Deposit Insurance At A Glance
FDICが保険で守ってくれる代表的な預金
- Checking Account(当座預金・普通預金)
→ デビットカードや小切手で日々の支払いに使う口座 - Savings Account(貯蓄用口座)
→ 利息がつく「貯金用」の口座 - Money Market Deposit Account(マネーマーケット預金口座 / MMDA)
→ 少し金利が高めの預金口座 - Certificates of Deposit(CD/定期預金)
→ 一定期間おろさない代わりに、少し高い金利がつく預金 - 銀行が発行した Cashier’s Check, Money Order などの公式な支払い手形
→ バンクドラフト・キャッシャーズチェック・マネーオーダーなども、発行した銀行がFDIC対象なら預金としてカバーされる - 一部のプリペイドカード
→ 条件を満たし、「どの銀行名でFDIC保険がついているか」が明記されている場合のみ
→ ここはカードごとに条件が違うので、必ず発行会社の説明やFDICの案内を確認する必要があります
参考ソース:Understanding FDIC Insurance
FDICが“守ってくれない”お金も多い
ここは誤解がとても多いところです。FDICは、銀行が売っているすべての金融商品を守っているわけではありません。
「預金ではないもの」は、たとえ銀行で買ったものであってもFDICの対象外です。
FDICが保険で守らない代表的なもの
- 株式(Stocks)
- 債券(Bonds)
- 投資信託・ミューチュアルファンド(Mutual Funds)
- マネーマーケットファンド(投資信託としてのMMF)
- 暗号資産(Crypto Assets)
- 大手保険会社との提携を通じて購入できる生命保険商品(Life Insurance Policies)
- 年金商品・アニュイティ(Annuities)
- 地方債などの Municipal Securities
- 貸金庫(Safe Deposit Box)の中身
- 米国債(U.S. Treasury Bills, Bonds, Notes)※FDICではなく米政府の信用で守られている
大事なのは、「銀行で買った=FDICで守られる」ではない、ということ。
そのため、投資系の商品は、値下がりしたときの損失は自分で負うことになります。
貸金庫 (Safe Deposit Box)、我が家も利用していますが!
残念ながら貸金庫がある銀行からの保障はないんですね. . .
知っておきたい「FDICとのつき合い方」
ここまで読むと、少しだけ「ふぅ…情報多いな…😮💨」と感じた方もいるかもしれませんね。でも、普段の生活で意識しておきたいポイントは、実はとってもシンプルなんです。
① 銀行を選ぶときは「FDIC」のマークを確認
口座を開く前に、ウェブサイトや支店の入り口に「Member FDIC」のロゴがあるかどうかを必ずチェック。
というのは、すべての銀行がFDICに加入しておらず、 FDIC に未加入の銀行もあります。つまり、名札に「Member FDIC」が無い銀行。また、クレジットユニオン(信用組合)は FDIC ではなく National Credit Union Administration(NCUA)による保険の対象になることが多いです。
FDIC公式サイトから、銀行が加入しているか確認できます。
FDIC-Understanding Deposit Insurance
② Checking と Savings は「同じカテゴリ」でまとめて計算される
- 同じ人の名義+同じ銀行であれば、Checking も Savings も CD も、Single Account(単独名義口座)として合計して$250,000まで、という扱いになります。
- 口座の種類が違うから、1つ1つ25万ドルまでOK」とはならない点は要注意です。
③ 別の銀行・別の名義・別カテゴリで“枠”を増やす
もし将来、「貯金が25万ドルを超えそう(←素晴らしい…!)」というレベルになったら、
- 銀行を分ける(Bank A と Bank B)
- 名義を分ける(ママ・パパ・Joint)
- カテゴリを分ける(Single / Joint / IRAなど)
ことで、FDICで守られる金額を増やすことができます。
ただし、具体的な金額計算は少し複雑みたいなので、FDIC公式のシミュレーター(EDIE)や、銀行・FPに相談するのが安心です。
まとめ

今回はFDICの$250,000補償についてシェアをしました。
実は長男が18歳になったので、本人名義の口座を開きました。その時、FDICのしくみについて軽く説明をしました。実際にどこまで理解できているか分かりませんが、頭の片すみにあるだけでも、将来「ここはFDIC付きの銀行かな?」と立ち止まって考えられるようになれるといいなと思ってます。
投資の基本は分散投資、とよく言われますが、アメリカの銀行口座も FDIC の仕組みを知っておくと、どの銀行にいくら預けると安全なのか、自分で判断しやすくなると思います😊