アメリカ在住者なら知っておくべきソーシャルセキュリティ(Social Security)の基本

アメリカで働いているなら、お給料明細をよ～くチェックしてください。毎月、お給料からソーシャルセキュリティ(Social Security Tax)の掛け金が差し引かれています。
ソーシャルセキュリティは、アメリカの公的年金。ソーシャルセキュリティと聞くと、多くの方はリタイアメント時にもらえる「老齢年金」(Retirement Benefit)を思い浮かべるかもしれません。でも、ソーシャルセキュリティはそれだけでなく、障害年金や遺族年金などのベネフィットもあります。

今回はソーシャルセキュリティの老齢年金の基礎知識についてまとめてみました！

ソーシャルセキュリティとは？

ソーシャルセキュリティとは、アメリカの公的年金です。アメリカの社会保障制度になります。
社会保障を受けるためには、ソーシャルセキュリティナンバー（SSN）が必要になります。

ソーシャルセキュリティナンバー（Social Security Number: SSN)は、アメリカの社会保障を受けるために発行されるIDになります。

この番号は税金申告や年金の管理にも使われています。他には、銀行口座の開設、運転免許証の取得、携帯電話の契約、電気・ガス・水道の契約やアパートの賃貸契約の際に必要になります。

SSNがないと、アメリカでまともに生活できない！と言っても過言ではありません。

受給資格

ソーシャルセキュリティを受け取るためには、条件があります。
条件とは、働き、ソーシャルセキュリティタックスを払い、ソーシャルセキュリティのクレジットを積み立てていく必要があります。

一般的に、アメリカで10年働けば、ソーシャルセキュリティの受給資格はあります。しかし、クレジットがもらえる最低収入も定められています。

2023年は、1クレジットをもらうには、最低$1640稼ぐ必要があります。
４クレジットをもらうには、年間$6560稼ぐ必要があります。
ちなみに年間$6560以上稼いでいても、4クレジット以上はもらえません。

また、クレジットをもらうには、継続して働く必要はありません。働かない年があっても、40クレジットあれば大丈夫です。

参考：https://www.ssa.gov/benefits/retirement/planner/credits.html

受給開始年齢

ソーシャルセキュリティ(老齢年金) は、退職していなくても62歳から受給可能です。
※この先のソーシャルセキュリティは老齢年金の内容になります。
ですが、62歳から受け取ると減額受給になり、フルリタイアメント年齢で受け取れる満額受給金額より30%減額されます。

また、満額受給開始年齢は、生まれた年によって違います。1937年前に生まれた方は、65歳がフルリタイアメント年齢でしたが、その後はフルリタイアメント年齢が少しずつ上がっています。1960年以降に生まれた方のフルリタイアメント年齢（満額受給年齢）は、67歳です。

また、ソーシャルセキュリティはフルリタイアメント年齢（満額受給年齢）よりも後に受け取ることも可能です。
ソーシャルセキュリティの受け取りをフルリタイアメント年齢よりも遅らせる場合、受給金額は増えていきます。
例えば、67歳で満額受給を受け取らず、70歳まで遅らせると、1年ごとに８％受給額が増えていきます。

受給額

ソーシャルセキュリティの受給額は、働いていた時に収めた金額によって違ってきます。ソーシャルセキュリティの金額は、最も収入が多かった過去35年間（収入の高い順の35年間）の平均で金額が決まります。

ソーシャルセキュリティの受給額は、こちらのサイトから簡易計算できます。

例えば、今年63歳になる方の場合、62歳9か月から受給が可能になりますが、減給された金額の$1237.00を毎月、一生涯受け取ることが可能です。
もし受給を67歳まで待つことができれば、受給額は$1792,00と62歳9か月で受け取る受給額よりも毎月$555増える事になります。
仮にフルリタイアメント年齢の70歳まで待てる場合、一生涯受け取れる受給額は月額$2323.00になります。

もしご自分の将来のソーシャルセキュリティの推定金額を知りたい場合、ソーシャルセキュリティポータルにアカウントを作成してみてください。
”My social security"にアカウントを作成すると、このような情報が確認できます。

● ソーシャルセキュリティ受給条件を満たしているかどうか
● フルリタイアメント年齢
● 62歳で受給開始をする場合の推定金額
● 67歳で受給開始をする場合の推定金額
● 70歳で受給開始をする場合の推定金額

ソーシャルセキュリティを受け取りながら、働くことも可能です。
ただし、注意が必要です。フルリタイアメント年齢前にソーシャルセキュリティを受け取りながら働く場合、収入の上限がきめられています。
上限以上の収入を得た場合、ソーシャルセキュリティは減額されます。フルリタイアメント年齢に達した場合、収入が増えても減額はされなくなります。

ソーシャルセキュリティの申請方法

ソーシャルセキュリティを申請するには、３つの方法があります。

● オンラインで申請

電話フリーダイヤル 1-800-772-1213で申請する● 電話フリーダイヤル 1-800-772-1213で申請する

● 近くのソーシャルセキュリティ事務所へ行き申請する
(事前に予約が必要か問い合わせてくださいね）

※海外在住者の場合、お近くのU.S. Social Security 事務所または在日アメリカ大使館、領事館に確認ください。
日本からソーシャルセキュリティに関して問い合わせをする際は、こちらから

まとめ

アメリカの公的年金のソーシャルセキュリティ。アメリカで働くなら、しっかりとどのようなものか理解することが必要です。
一生涯、受け取れる収入になるため、リタイア後はできるだけ多くもらいたいですよね！
そのためには、しっかりとソーシャルセキュリティについて理解をする必要があるのでは、と思います。