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アメリカ在住者なら知っておくべきソーシャルセキュリティ(Social Security)ベネフィット


アメリカの社会保障制度には、ソーシャルセキュリティと呼ばれる制度があります。この制度には、退職年齢に達した場合に年金を受け取ることができる「老齢年金(Retirement Benefits)」、Retirement Benefitを受ける前に障害者(Disabled)になった場合の「障害年金(Disability Benefits)」、配偶者が亡くなった場合に受け取ることができる「遺族年金(Survivor Benefits)」、そして医療費をカバーするための「医療保険(Medicare)」などのベネフィットがあります。

ですが、意外と知らない方の方が多いようです。だからこそ、ソーシャルセキュリティの基本的な情報やベネフィットは知っておくべきだと思います。
今回はソーシャルセキュリティのベネフィットについてまとめてみました!

できるだけ分かりやすくまとめる努力はしましたが。。。

ソーシャルセキュリティベネフィットの受給資格や条件は、複雑になる場合もあるので、不明点などはソーシャルセキュリティのサイトでご確認ください。

ソーシャルセキュリティとは?

ソーシャルセキュリティとは、アメリカの公的年金です。アメリカの社会保障制度になります。もしアメリカで働いているなら、お給料明細をよ~くチェックしてください。毎月、お給料からソーシャルセキュリティとMedicare(メディケア:医療保険税)の掛け金が差し引かれています。

ソーシャルセキュリティTAXとメディケアTAXを合わせてFICA(Federal Insurance Contribution Act)TAX とも呼ばれています。

Natsuko
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ソーシャルセキュリティの受給資格

ソーシャルセキュリティとそのベネフィットを受け取るためには、条件があります。
条件とは、働き、ソーシャルセキュリティタックスを払い、ソーシャルセキュリティのクレジットを積み立てていく必要があります。

Natsuko
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ソーシャルセキュリティ(アメリカの公的年金)をもらうには、40クレジット必要です。

1年間に4クレジットもらえるので、アメリカで10年働けばOK.

Natsuko
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アメリカで10年間働いていない場合の方に朗報です!

アメリカで10年未満の方も、日米年金協定により受給資格があるかもしれません。

詳細は、ソーシャルセキュリティアドミニストレーションのサイトで確認してくださいね!

一般的に、アメリカで10年働けば、ソーシャルセキュリティの受給資格はあります。しかし、クレジットがもらえる最低収入も定められています。

2023年は、1クレジットをもらうには、最低$1640稼ぐ必要があります。
4クレジットをもらうには、年間$6560稼ぐ必要があります。
ちなみに年間$6560以上稼いでいても、4クレジット以上はもらえません。

また、クレジットをもらうには、継続して働く必要はありません。働かない年があっても、40クレジットあれば大丈夫です。

参考:https://www.ssa.gov/benefits/retirement/planner/credits.html

ソーシャルセキュリティのベネフィット

アメリカ在住者が知っておくべきソーシャルセキュリティベネフィットには、以下のようなものがあります。

  • Retirement Benefit(老齢年金)
    Spouse's/dependent children (配偶者やその家族のベネフィット)
  • Disability (障害者)
  • Survivors Benefit (遺族年金)
  • Medicare (メディケア)

参考:https://www.ssa.gov/benefits/

ベネフィットを受け取れる条件

下記のソーシャルセキュリティのベネフィットを受け取るためには、条件があります。
Retirement Benefit をもらうには、最低40クレジットが必要です。


一般的に、その他のベネフィットもクレジットが足りなければ、ベネフィットを受け取ることはできません。
※もしも働けなくなった・亡くなった年齢が若い場合は、ベネフィットを受け取る必要クレジット数も少なくなります。


こちらのサイトに詳細が、記載されています。
https://www.ssa.gov/benefits/retirement/planner/credits.html

1. 老齢年金 (Retirement Benefit)

ソーシャルセキュリティと聞くと、多くの方はリタイアメント時にもらえる「老齢年金」(Retirement Benefit)を思い浮かべるかもしれません。
62歳から受給可能です。
老齢年金についての詳細は、こちらをご覧ください。

アメリカ在住者なら知っておくべきソーシャルセキュリティ(Social Security)の基本

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Spouse's/dependent children (配偶者やその家族のベネフィット)

老齢年金ですが、本人以外にも配偶者やその家族もベネフィットを受け取ることが可能です。

ベネフィットを受け取れる該当者

●  62歳以上の配偶者

●  16歳以下の子供がいる配偶者(*62歳以上でなくてもOK)

●  18歳以下の未婚の子供

●  再婚をしていない、離婚した元配偶者(*10年以上の婚姻期間があり、かつ62歳以上でなければいけません)

62歳以上の配偶者(妻)の場合

10年以上の婚姻期間があれば、働いたことがなくてもRetirement Benefit(老齢年金)受け取ることができます。
基本は、受給資格がある配偶者(夫)がもらえる金額の50%をもらえます。


※1960年以降に生まれた方は、配偶者(妻) もフルリタイアメントエイジ(Full Retirement Age)にならないと、もらえる金額が減額されて50%以下になります。
また、受給資格がある配偶者(夫)が老齢年金(Retirement Benefit) を受給していないと、もらえません。

また、配偶者(妻)も自分の老齢年金を受け取れる場合は、自身のRetirement Benefitを受け取るか、配偶者(夫)の【配偶者ベネフィット】を受け取るか申請するときに決める必要があり、どちらか高い金額を受け取ることができます。

参考:https://www.ssa.gov/benefits/retirement/planner/applying7.html

2. 遺族年金 (Survivors Benefit):残された家族への補償

もし、家族の誰かが亡くなった場合、遺族はソーシャルセキュリティの遺族給付を受けることができます。遺族年金には、配偶者、子供、両親などが含まれます。

死亡一時金

ソーシャルセキュリティTAXを支払っていた方が亡くなった際、残された配偶者や子供は、$225の死亡一時金が支給されます。

※亡くなる直前の3年間に、1年半(6クレジット)働いていれば、残された家族はSurvivors Benefitをもらうことが可能です。
詳細は、https://www.ssa.gov/benefits/retirement/planner/credits.htmlに記載があります。

Survivors Benefitの該当者

● 60歳以上の配偶者 (障害者の場合は50歳以上)

● 年齢にかかわらず16歳以下の障害者の子供がいる配偶者

● 年齢にかかわらず16歳以下の障害者の子供がいる元配偶者

● 10年以上結婚をしていた元配偶者(60歳以前に再婚していないことが条件。元配偶者で障害が場合は50歳以上)

● 18歳以下の未婚の子供 (12年生までのフルタイムの学生の場合は、19歳以下)

● 年齢にかかわらず22歳までに障害者となった子供

● 62歳以上の扶養していた親

3. 障害年金 (Disability):障害者になった場合の補償

Retirement Benefit(老齢年金)を受ける前に、長期にわたって肉体・精神的な障害によって働けなくなった場合、ソーシャルセキュリティの障害給付を受けることができます。ただし、給付を受けるためには厳しい資格審査が行われ、給付の金額も勤務期間や平均賃金などに基づいて決定されます。


※Disabilityベネフィットを受給する条件は、民間のDisability保険と比べ厳しいです。Disabledになっただけでは受給できません。他にも、「最近まで働いている」「十分な年数働いている(年齢によって異なる)」ことも条件になります。詳細は、https://www.ssa.gov/benefits/retirement/planner/credits.htmlに記載があります。



若くしてDisabledになった場合、例えば24歳の場合では、3年間の内1年半働き6クレジットあれば、上記の2つの条件を満たします。一方、50歳の方の場合ではもう少し条件が厳しく、10年間の内5年間働き、かつ合算で7年働いてくることが条件になります。

障害年金は、厳しい条件をクリアしないと受給できません。
最低1年間Disabledになり、かつ
下記の2つの労働条件をクリアしなければなりません。
また、残念ながら本人がDisabledになったと感じても、Social Securityが判断するDisabilityの定義に認定されなければ、「Disabled」と認定されません。

参考:https://www.ssa.gov/pubs/EN-05-10029.pdf

厳しい条件のあるDisabilityベネフィットですが、もし「Disabled」と認定されると、本人以外にもベネフィットを受ける可能性があります。

本人以外にもベネフィットを受ける可能性がある該当者

● 62歳以上の配偶者

● 16歳以下の子のいる配偶者

● 19歳未満の子供

● 22歳以前にDisabilityの認定を受けた18歳以上の子供

4. メディケア (Medicare)

ソーシャルセキュリティに加入すると、メディケアと呼ばれる医療保険を受けることができます。メディケアは、65歳以上の人や障害を持っている人、末期の腎臓病患者などに提供されます。

メディケア受給資格

● 65歳以上のアメリカ市民
5年以上継続した米国在住の永住権保持者
● 末期の腎臓病患者
● 障害者 (障害者年金などの特別な条件を満たす方が対象。年齢問わず)

メディケアは医療費をカバーするための保険になりますが、メディケアには何種類かあります。

連邦政府が提供する基本の健康保険(オリジナルメディケア)と 民間の保険会社が提供するオプション(医療費補助、処方箋薬保険、サプリメンタル保険)の健康保険があります。
メディケアにはパートAからDまで4つのパートがあります。メディケアについては、別記事でもう少し詳しくお伝えしたいと思います。

参考:https://www.ssa.gov/benefits/

まとめ

ソーシャルセキュリティには、Retirement Benefit(老齢年金)以外のベネフィットもあります。万が一の時には、心強いベネフィットです。
アメリカでずっと生活していくのであれば、自分や家族がどんなベネフィットを受けられるのか把握しておいて損はありません。

ですが、インフレで全てが高騰しているアメリカでは、ソーシャルセキュリティのベネフィットだけで現在の生活を維持するのは難しいかもしれません。

つい最近、2034年にはソーシャルセキュリティが支払われなくなる可能性があるというニュースもありました。

https://www.cnn.com/2023/03/31/politics/social-security-benefits-decrease


安心できる老後を考えるのであれば、保険などを上手に活用してみるのも良いかもしれませんね。

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