保険エージェントとしてお客様とお話している際、よく質問されることがあります。
「銀行の預金は、FDICで保証されていますが、生命保険会社が倒産したらどうなりますか?」
ご心配、よ~く分かります!
このご時世、いつ会社が倒産しても不思議ではありません。
まして、自分の大切なお金を預け入れしている会社が倒産した場合、どんな保障があるのか、保険のポリシーはどうなるのか、気になりますよね。
今回は、アメリカの生命保険会社が倒産した場合についてシェアしたいと思います。
朗報!生命保険会社が倒産する可能性は低い
まず、嬉しい事実から。
アメリカの生命保険会社ですが、なんと2008年以降に倒産した会社はありません!12
出典:Are You Protected if Your Insurance Company Goes Belly-Up?
もちろん、生命保険会社の業績が悪化することはあります。
ですが、保険会社が倒産!というのは、経済的に与える影響が大きくなるので、倒産する前に州や国が介入、再建を試みます。
他にも、すでにある保険会社と合併させ、既存契約を続行させるように努力をします。
そのため、生命保険会社が倒産!という最悪の事態は免れます。
先日、生命保険会社に連絡をする必要があったので、確認しました!
合併で新しい保険会社になった場合、新しい会社と新たに契約をし直すのではなく、既存の契約内容をそのまま続行するのが一般的とのこと。
既存契約専用の問い合わせ番号などを設け、契約者にとって分かりやすくするそうですよ。
ただし、ちゃんと保険料を支払っていないといけないですよ~
他にも、生命保険会社はこのような「保険」を自社にかけています。
責任準備金 (Statutory reserves)
生命保険会社は、最悪のシナリオで死亡保険金を支払うために、一定額の手元資金を確保しておくことが法律で義務付けられています。
正確な金額は州やリスクによって異なりますが、通常、保険会社の総収入の最低8%から12%です。
再保険(Reinsurance requirements)
生命保険会社が、自己の引き受けた保険のうち、主として高額契約などについて、保険契約のリスクを分散するために国内・国外の再保険引受会社と結ぶ保険契約のことです。
出典 : (社)生命保険協会発行「生命保険会社のディスクロージャー虎の巻 P38」より
再保険は、生命保険会社が保険金支払能力を保証するために購入する保険になります。
保険会社は、保険契約に保険をかけることで、財務上の損失のリスクを複数の会社に分散させることができます。
アメリカの保険会社は、再保険に加入していない限り、純資産の10%を上限とする保険しか発行できないそうです。
これはどのような事かと言うと、生命保険会社が大きくなるためには、再保険に加入する必要があります。
再保険は、契約者にとってもメリットがあります。例え、保険会社が倒産しても、再保険会社がその分を補償してくれることを意味します。
そのため、会社にとっても契約者にとっても、リスクが分散されることになります。
保証協会への加入が義務づけられている(Mandatory membership in guaranty associations)
生命保険会社は、National Organization of Life and Health Insurance Guaranty Associations (NOLHGA)への加入が義務付けられています。
保険会社が倒産した場合、NOLHGA(保険機構)があなたの保険を保護します。NOLHGA(保険機構)は、保険会社の利益の一部を財源としており、生命保険会社にはNOLHGA(保険機構)への加入が義務付けられています。NOLHGA(保険機構)は、法令遵守と契約者保護のため、州政府によって規制されています。
アメリカでは生命保険会社が倒産した場合、保険機構が健全な保険会社に(倒産した会社の)契約を肩代わりさせます。
支払われる上限金額は州によって異なりますが、通常30万ドルまで支払われるようです。
※州によっては、より高額になることも。
1983年の設立以来、NOLHGA(保険機構)は、260万件の保険を譲渡し、約69億ドルの死亡保障を支払っています。
まとめ
アメリカの生命保険会社が倒産することは、滅多とありません。
もちろん、業績が悪くなれば再建を試みたり、または違う会社と合併することはあります。
ですが、もし生命保険の加入を検討されているならば、できるだけ信用度の高い保険会社を選ぶことをお勧めします。
例えば、1899年に創立され、世界初且つ最大の保険業界を専門とする信用格付け機関のAMベスト社などで、生命保険会社の格付けを確認して契約をされるとより安心できると思います。